材料のお話3。TPUの成分、構造などなど
こんにちは!皆様いかがお過ごしでしょうか。
ここ数日、ぐっと寒くなってきましたね。
皆様、体調管理にはお気を付けください。
現場の状況はというと、一時期の忙しさは収まり、こうしてブログを書く
時間も確保できるようになりました。
こういった比較的余裕がある時に情報収集をしたり、
新しいことにチャレンジしてみたりと、次に繋がるような
動きをどんどんしていきたいものです。
世間ではコロナの猛威が急速に弱まってきており、
これからの経済活動の平常化が期待されています。
冬にかけて第6波も懸念されていますが、このまま終息することを
心から願うばかりです。
さて、前置きが長くなりましたが、前回4月に更新した記事の続きで材料のお話。
まずはTPUの成分など、どういったものから作られているかという所。
このあたりになると、複雑な化学式や、宇宙語のような用語が飛び交い、
余計に理解を妨げますので、大枠で理解できるようにザックリと説明して
いきたいと思います。
まず、TPUは3つの成分からできています。
イソシアネート+ポリオール+鎖延長剤
この3つ。その中でもイソシアネートとポリオールがウレタン結合という
化学反応を起こす事によって作られています。1つずつ間単に説明します。
・イソシアネート
TPUにおける主成分。イソシアネートの中にもいくつか種類がありますが、
TPUでは主にMDIと呼ばれるものが使われている様です。ですので、取引先
との話の中でMDIという言葉が出たらポリウレタンの主成分の事なんだなぁ
くらいに覚えておけば良いかと思います。その他に黄変防止などの特性を持たせたい
際には、水添MDI、HDIとよばれる種類も使われています。
・ポリオール
こちらもTPUの主成分で、先にも書きましたが、このポリオールとイソシアネート
が結合することで成り立っています。また、ポリオールは大きく分けてポリエステルポリール、
ポリエーテルポリールという種類があり一般にはエステル系、エーテル系と呼ばれて区別
されています。これらの使い分けはざっくりというと、エステル系は分子構造的に水に
反応してしまうので、加水分解を起こしやすいですが、機械的強度がエーテル系より
優れているので、水気を心配しなくていいような使用環境ではエステル系を使うのが一般的です。
一方エーテル系は水に反応しづらい分子構造のため、耐水性が良いので、主に湿気が多い箇所や
水が掛かるような環境での使用が多いです。弊社の例でいえば、食品関係での使用が多いですね。
それぞれの特性を簡単に表にまとめるとこんな感じです。
エステル系 | エーテル系 | |
耐水 | △ | ◎ |
耐熱 | 〇 | △ |
耐油 | ◎ | 〇 |
そして、付け加えますと、ポリオールとイソシアネートの割合で材料の硬度を調整しています。具体的には
・イソシアネートが多い →高硬度
・ポリオールが多い →低硬度
というかたちになります。
・鎖延長剤
こちらは読んで字のごとく、結合したイソシアネートとポリオールが鎖状に繋がっていくのを
促進させる成分。とでも理解しておけばよいかと思います。正直これに関しては調べてもしっくり
くる情報はありませんでしたので上記のようにざっくりとで構わないでしょう。
いかがでしたでしょうか。今回はTPUの成分や特性について私なりにかみ砕いて書いてみました。
私自身、このあたりの知識はまだまだ素人同然で、色々と調べながら書きましたので分かりづらい
点などあったかと思いますが、これからも勉強しつつ分かりやすくアウトプットできるように
精進してまいりたいと思います。それではまた。